虹の橋*愛する犬が亡くなり、悲しみでいっぱいのあなたに…

  ☆ 虹 の 橋 ☆  * 三部作 & 虹の橋よりメッセージ *




  *第一部  虹の橋 *

  国の、ほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
  この地上にいる誰かと愛し合っていた動物は、死ぬとそこへ行くのです。
  そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
  食べ物も水もたっぷりあって、お日さまはふりそそぎ、
  みんな暖かくて幸せなのです。

  病気だった子も年老いていた子も、みんな元気を取り戻し、
  傷ついていたり不自由なからだになっていた子も、
  元のからだを取り戻すのです。
  ・・・まるで過ぎた日の夢のように。

  みんな幸せで満ち足りているけれど、ひとつだけ不満があるのです。
  それは自分にとっての特別な誰かさん、残してきてしまった誰かさんが
  ここにいない寂しさのこと・・・。

  動物たちは、みんな一緒に走り回って遊んでいます。
  でも、ある日・・その中の1匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
  その瞳はきらきら輝き、からだは喜びに震えはじめます。

  突然その子はみんなから離れ、緑の草の上を走りはじめます。
  速く、それは速く、飛ぶように。
  あなたを見つけたのです。
  あなたとあなたの友は、再会の喜びに固く抱きあいます。
  そしてもう二度と離れたりはしないのです。

  幸福のキスがあなたの顔に降りそそぎ、
  あなたの両手は愛する友を優しく愛撫します。
  そしてあなたは、信頼にあふれる友の瞳をもう一度のぞき込むのです。
  あなたの人生から長い間失われていたけれど、
  その心からは一日も消えたことのなかったその瞳を。

  それからあなたたちは、一緒に「虹の橋」を渡っていくのです・・・。




  * 第二部  虹の橋にて *

  れど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。
  打ちのめされ、飢え、苦しみ、
  誰にも愛されることのなかった子たちです。
  仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、
  橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。
  この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。
  地上にある間、そんな人は現れなかったのです。

  でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、
  誰かが立っているのに気づきます。
  その人は、そこに繰り広げられる再会を、
  うらやましげに眺めているのです。
  生きている間、彼は動物と暮らしたことがありませんでした。
  そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、
  誰にも愛されなかったのです。

  ぽつんとたたずむ彼に、愛されたことのない動物が近づいていきます。
  どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。

  そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、
  そこに奇跡が生まれるのです。
  そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。
  地上では巡りあうことができなかった、
  特別な誰かさんと、その愛する友として。

  今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、
  苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。

  彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。




  * 第三部  雨降り地区 *

  んな風に、幸せと愛の奇跡に満ちている、「虹の橋」の入り口に、
  「雨降り地区」と呼ばれる場所があります。
  そこではいつもシトシト冷たい雨が降り、動物達は寒さに震え、
  悲しみに打ちひしがれています。
  そう、ここに降る雨は、残して来てしまった誰かさん、
  特別な誰かさんの流す涙なのです。

  大抵の子は半年もしないうちに、暖かい日差しの中に駆け出して、
  仲間と戯れ、遊び、楽しく暮らす事ができます。
  ほんの少しの寂しさと、物足りなさを感じながらも・・・。

  でも、1年経っても2年経っても、ずっと「雨降り地区」から、
  出て行かない子達もいるのです。

  地上に残して来てしまった、特別な誰かさんがずっと悲しんでいるので、
  とてもじゃないけれど、みんなと楽しく遊ぶ気になれないのです。
  地上に残して来た誰かさんと同じ辛い想いをして、
  同じ悲しみに凍えているのです。

  死は全てを奪い去ってしまうものではありません。
  同じ時を過ごし、同じ楽しみを分かち合い、愛し合った記憶は、
  あなたの心から、永遠に消え去る事はないのです。
  地上にいる特別な誰かさん達の、幸せと愛に満ちた想い出こそが、
  「虹の橋」を創りあげているのです。

  ですからどうか、別れの悲しみにだけ囚われないでください。
  彼らはあなたを幸せにする為に、神様からつかわされたのです。
  そして、何よりも大事な事を、伝えにやって来たのです。

  の儚さと愛しさを。
  束の間の温もりに感じる、慈悲の心の尊さを。

  その短い生涯の全てを以って、教えてくれるのです。
  癒える事のない悲しみだけを、残しに来るのではありません。

  思い出してください。
  動物達が残して行ってくれた、形にも、言葉にもできない、様々な宝物を。

  それでも悲しくなったら、目を閉じてみてください。
  「虹の橋」にいる、彼らの姿が見えるはずです。

  信じる心のその中に、必ずその場所はあるのですから・・・。



  * 虹の橋より *

  せをありがとう。
  愛してくれてありがとう。
  いつも抱っこをありがとう。
  守ってくれてありがとう。
  悲しんでくれて、ありがとう。

  悲しみを、乗り越えようとしてくれて もっとありがとう。

  会えなくなってしまったけど、本当は、会えるから・・・
  あの日に出会えたことが、とっても幸せだったから・・・

  苦しくないよ。
  悲しくないよ。
  淋しくないよ。

  だから、あの日みたいに笑ってね。
  いっぱい愛してくれたから、 いっぱいの幸せを、今もいっぱい感じるよ。
  いっぱいの幸せが、今も包んでくれてるよ。